司法書士有資格者が一般企業の法務部に就職することは可能か

2020年2月12日

こんにちは。

今日は、司法書士有資格者の進路について書いてみようと思います。

司法書士は独立開業系の資格と言われており、少し前までは「資格を取れば独立するのが当たり前」でその他の道があるなんて考える人は少なかったと思います。

しかし、現在では「独立開業しても仕事がない」「安定した企業で働きたい」と思う人も増えているようです。

司法書士有資格者一般企業法務部へ就職することは可能なのでしょうか?

法務部で働く企業内司法書士と言う選択肢

そもそも司法書士の一般企業法務の求人はあるのか

「司法書士として、稼いで行くより、福利厚生が整った一般企業で働きたい」

「企業法務を中心に仕事をしたい」

こんなふうに考え企業の法務部で働きたいと思っている人は少なくないと思いますが、実際問題として一般企業に司法書士有資格者として採用されるものかわからないと思います。

結論から言うと、司法書士の有資格者として一般企業で働くことは可能です。

私が知る限りですが、司法書士有資格者としての求人はありますし、また周りでそのような会社に就職した人もいます。

ただ、一般企業の中途採用の場合、即戦力を求めているケースが多く、司法書士資格の他に企業法務経験者や英語が堪能な人でなければ採用してもらえないこともあるようです。

また、弁護士の有資格者も一般企業に就職するような時代ですので、弁護士との競合もあります。

企業法務未経験などの場合は、いきなり大企業の法務部に就職できるなんて言う可能性はほぼゼロで、どちらかというと上場に向けて法務関係を整備していこうとしているような比較的小さめの会社での採用の可能性が高いと思います。

※あまり小さすぎる会社だと、法務関係に人的コストをさけないので、募集がありません。

一般企業に就職して司法書士登録可能か?

ところで、司法書士有資格者は、一般企業に就職する場合でも司法書士登録をすることができると思いますか?

実は、司法書士法では、司法書士が他人に雇われることが禁止されており、依頼に応じる義務を果たせないこともあることから一般企業に勤めている状況では司法書士連合会は司法書士登録を受け付けてくれないのが現状です。

この点、弁護士業界は企業内弁護士の存在を認めているようで、企業に属しながらの弁護士登録は可能なようです。

しかし、一般企業に勤めていながら、司法書士登録をしている人は存在します。

そういった方は一度独立開業した上で、登録抹消しないまま一般企業に就職するなど特殊な状況があるようですが、ほとんどの方が会費がもったいないなどの理由により登録抹消しているようです。

司法書士が一般企業の法務部に就職する方法

さて、実際に司法書士の有資格者の需要があることはわかりましたが、どのような手段で就職活動を行えば良いのでしょうか?

一般企業の法務部に勤める司法書士有資格者のから次の2通りの方法を聞きました。

転職サイト MS-Japanの利用

僕の知人の司法書士は、8年司法書士事務所に勤務した後、一般企業の法務部に就職しましたが、その方はMS-Japanという士業に特化した転職サイト を利用したと言っていました。

僕も以前に一般企業の就職を考えたことがあるのですが、その時にMS-Japan に無料登録したのですが法務系の求人が多く、一般の転職サイトよりも司法書士有資格者の就職活動には向いているかなと思いました。

無料登録だけでも求人の確認はできるので、気になっている人は一度見てみて、一般的な待遇や募集地域などを確認してみると良いのではないでしょうか。

企業法務部に就職している司法書士有資格者に紹介してもらう

一般企業に属する司法書士有資格者の人たちの中で、同じような人材を探している場合があります。

日本組織内司法書士協会といった任意の団体もありますので、このような組織に参加して積極的に情報収集をしてみると良いと思います。

まとめ 企業内司法書士というのもアリ?

司法書士事務所に就職すると福利厚生面がどうしても弱いので、そのあたりを重視する人は企業に就職するのもありなんじゃないかと思います。

また、ある程度若くなければ取れない選択肢なので、若い人は一度挑戦して経験を積んでみるのも良いんじゃないでしょうか。

35歳ぐらいまでなら、企業法務未経験でも転職は可能だと思います。

またいきなり大企業の法務は難しいかもしれませんが、小さめの企業で法務をこなしてスキルをつけステップアップ的に転職していくのも一つの手段だと思います。